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井垣孝之(弁護士/ブロックチェーンベンチャー/新事業創出・経営改革コンサルタント)。個人が、チームを変え、組織を変え、社会を変えるために必要な物事の考え方や、役立つ情報をまとめるブログです。

知らないと損する!30代以降のキャリアのフレームワーク【第1回】

30代で今後のキャリアをどうしていくかで悩んでいる方が周りに結構います。私自身も概ね方向性は決まってはいるものの、はっきりと定まっているわけではありません。

ただ、自分のキャリアの方向性の決め方はなんとなく定まってきたので、連載という形でまとめておこうと思います。

 

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30代までの世代にとって、キャリアを真剣に考えるのは当たり前の時代 

ここ数年で、パラレルキャリア、複業(副業)、キャリア3.0といった言葉が当たり前のように語られるようになりました。本屋でもそういった本が増えたと思います。

私自身は2014年に、「これからは1人の人が複数の仕事を持ち、会社をまたいで仕事をする時代が来るだろう」と考えて、一度に4つの事業を立ち上げたりしました。

 

当時はまだ、今ほど複業(副業)への社会の関心は高くなかったのですが、この5年の間に、政府が副業解禁の方向に動き、人生100年時代が現実のものになりつつある中で、長い人生をどう生きていくかということに本格的に社会の関心が高まりました。

まだまだ先が長い20代と30代は特に関心が強く、私の働きかたについて質問を受けたり、これからのキャリアの相談に乗ったりしています。

 

「会社員」と「個人」のいいとこ取り複業スタイルに興味のある方はぜひお話しましょう!

 他方で、現在の本屋に並んでいるキャリアの本は、基本的には転職の延長線上の話しか書いておらず、実際に1人の人が複数の仕事を持ち、会社をまたいで仕事をするという点に関しては、「そうなるだろう」という予想レベルのことしか書かれていません。

 

そこで、何回かに分けて、私がアドバイスすることが多い内容をまとめておこうと思います。

キャリアの考え方のフレームワーク

キャリアを考える場合、一番大きなレベルの枠組みは次のとおりになります。

  1. キャリアの大きな方向性を決める(第2回:具体的な方法論
  2. キャリアの方向性を実現できるフィールド(業界・職種)を選ぶ
  3. 現在の環境の中でキャリアを実現するための戦略を考える
  4. 日々の仕事の中で戦略を実行する

 この記事は、主に①キャリアの大きな方向性を決めることについて書いています。

 

「年間1500万円の可処分所得を稼げたとして、それ以上稼ぐなら何のために稼ぐ?」

一般的に、幸福度は年収に比例して増えていきます。しかし、年収が上がり続ければもっと幸福になるかというと、そういうわけではなく、収穫逓減の法則が妥当して年収と幸福度は比例しなくなります。

 

私の周りの弁護士や経営者など、それなりに稼いでいる人に聞くと、幅はあるものの、可処分所得*1が1500万というラインが上限で、それ以上稼いでも幸福度はほぼ上がらないようです。

ちなみに、給与所得者なら年収2400万円で可処分所得が1500万円になります。

可処分所得が1500万円あれば、毎月100万円使っても資産は増えます。住みたいところに住み、食べたいものを食べ、欲しいものは大体手に入る上に、将来の蓄えもできます。

この状態になると、ほとんどの人は欲求が満たされ、それ以上何かしたいということがなくなります。そうすると、それ以上稼ぐのであれば、あえて頑張る理由が必要になってくるのです。

 

したがって、可処分所得1500万円を稼げたとしたら、それ以上稼ぐ?稼ぐならその理由は?」と質問をすると、その人が頑張る理由、ひいては何のために生きるのかという理由が見えてくると思っています。

そして、これについて考えることは、自分のキャリアの大きな方向性を決める際に極めて重要になります。

 

ちなみに私の答えは記事の最後で紹介しています。

 

1つ注意を促しておきますと、自分のキャリアの方向性として、ただ「稼ぎたい」という方向を設定することはやめておいた方がいいです。「もっと稼ぎたい」という理由だけで可処分所得1500万円以上を目指すと、いつか「自分はなんのために生きているんだろう」という状態になります。

なぜなら、お金は常に何かをするための手段であって、目的にはなり得ないからです。「お金を稼ぐこと」という目的は、生活を満たすという限度であれば機能しますが、それ以上になると機能しなくなります。

したがって、抽象的なゴールとして「自分の欲求が満たされた状態でも仕事を頑張る理由」を意識しておき、それを実現しつつ収入を増やしていくのが、おすすめのキャリアの積み方になります。

 

まずは「給与収入2400万なんて絶対不可能」などとは考えずに、ぜひ月120万の手取りがある状態を具体的にイメージし、自分の生活がどうなるか、そうなったときに自分は何のために頑張るのかを考えてみてください。

もちろん、「そんな状態になれば自分の人生は満足だから、もうそれ以上頑張らない」と考えるのも全然ありです。なお、自分の欲求がほぼ全て満たされる可処分所得を設定すればいいので、1500万円という金額にはこだわらなくても構いません。

 

ちなみに、可処分所得が年間数千万から億はある人に聞くと、もはやいくら稼ぐかはどうでもよく、「自分の納得がいく仕事をしたい」とか、「日本が世界の中で埋没しないために、日本の大企業を変える」といったシンプルな答えが返ってくることが多いです。

 

あなたの答えも、ぜひ考えてみてください。

キャリアの大きな方向性の決め方

ここからは、まだキャリアの大きな方向性がまだ決まっていない方向けの内容です。

 

方向性の決め方としては、①自分のやりたいことと実現可能性から選択肢を絞り、それを②自分のこれまでの実績や強みが活きるものかどうか、③これからの社会で必要とされそうかという点から確認すれば、かなり精度の高いキャリアの方向性を決められると思います。具体的な方法は、また別記事で書きます。

 

私の場合、現在設定しているキャリアの大きな方向性は、自分ができる問題解決のレベルを上げ、最終的には大企業の資産を活かして社会課題の解決の質と量を上げることです。したがって、今は意識的に、一部上場企業や、非上場でも規模が大きい会社との仕事を増やす方向で頑張っています。

私の場合、特徴的なのは、自分の時間あたりの生産性(自分の費やした労力や時間から生じる社会課題の解決の規模)を極限まで高めるという点に意識が向いているところでしょうか。

 

現在、私は、ブロックチェーン業界に身を置いて、大企業向けの新事業創出コンサルティングをやる中で、海外と比べたときの日本企業の危機意識の低さとスピード感の遅さ、付加価値の低さに強い危機感を覚えています。

日本の大企業は、まだお金があるうちにイノベーションを意図的に起こしていかないと、近い将来、それこそ5年くらいの短い期間で、海外勢に取り返しのつかない差をつけられます。いや、既にもうほぼそれくらいの差があります。

たとえば、日本の株式市場の時価総額は、ランキング200位くらいで6000億円程度です。これは、海外のファンドだと普通に経営権を取れてしまう規模です。現に、一部上場企業の部長クラスの方々と話をしていると、海外勢に買収されるという危機感をみなお持ちです。

 

少し話がそれましたが、ぜひこの機会に、みなさんがキャリアについて考えるきっかけになれば幸いです。具体的にどうやってキャリアの方向性を決め、実行していくかはまたいずれ書く予定です。
→書きました。

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*1:所得から社会保険料・税金を引いた手取り