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井垣孝之(弁護士/ブロックチェーンベンチャー/新事業創出・経営改革コンサルタント)。個人が、チームを変え、組織を変え、社会を変えるために必要な物事の考え方や、役立つ情報をまとめるブログです。

仕事のコントロール領域の拡大が、キャリアを決める。【第4回】

30代以降のキャリアを考える連載、4回目です。ここまでは、キャリアの大きな方向性とキャリアを実現するためのフィールドの決め方について説明してきました。

 

知らないと損する!30代以降のキャリアのフレームワーク【第1回】 - igaki.work

30代以降のキャリアの大きな方向性の決めるワーク【第2回】 - igaki.work

生産性を圧倒的に上げる、フィールドと仕事の選び方【第3回】 - igaki.work

 

ここからは、会社に入ったあと、具体的にどのようにキャリアアップしていくか、効率的にキャリアアップするためには会社内でどのようにふるまうべきかについてまとめていきます。

 

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受け身の姿勢でキャリアアップすることは絶対にない

自分から「この仕事をしたい」と言うことの大切さ

まず捨ててほしい考えがあります。それは、「会社/上司から言われたことを全力でやっていれば、キャリアアップできる」という考え方です。

 

基本的に会社/上司があなたの意思を優先して、あなたのキャリアを上げるために動くということはありません(ただし、これからの20代・30代のマネジメントにおいては、そのような配慮がかなり重要です)。

したがって、言われたことをただひたすらやっているだけでキャリアアップすることは、ほとんどありません。

キャリアアップしたいのであれば、積極的に「自分はこれをしたい」と会社/上司に対して言っていく必要があります。さもないと、自分のキャリアにつながらない作業を延々とやらされるということもあり得ます。

 

「この仕事をしたい」と言えない会社ではどうする?

 

もちろん、そんなことを気軽に言える会社ばかりではありません。「任されている仕事をきっちりやってから言え」と言われることもあるでしょう。ろくに仕事もできていないのに、「この仕事をやりたい、この仕事はやりたくない」などと言うのは逆効果でしかありません。

 

そんなときは、任されている仕事に加えて、自分から「今の仕事をこう変える仕事をやりたい」と上司に提案していくことをおすすめします。

具体的には、現在任されている業務の効率化であったり、隣接する業務も含めた仕組化といった提案です。

「任されているのとはまったく違う仕事をやらせてくれ」と言うのは、普段からかなりのパフォーマンスを出している人でないとできませんが、普段の業務と関連する仕事であれば、拒否されることはないでしょう。

 

同じ仕事をやっていても、言われたことだけしかやっていない場合と、自分で提案して創り出した仕事もやっているのとでは、次に述べるとおり大きく意味合いが違います。

 

自分から仕事を提案するメリット

 

自分から仕事を提案していくと、大きなメリットがあります。それは、自分が仕事をコントロールできる領域を増やせるということです。仕事のコントロールは、特に仕事ができる人ほど大切です。

 

たとえば、マネジメント側は、仕事を割り当てるとき、基本的にスタッフの都合は関係なく、会社としてやるべきことを誰に任せると効率的か、という観点から考えます。

すると、仕事のできる人に優先的にいろんな仕事を振ってどんどんやってもらい、仕事ができない人には手のかからない仕事だけやってもらうという現象がよく起きます。

他方、仕事ができる人から見ると、誰もやらないけど自分はできる仕事をひたすら振られるようになり、自分のやりたい仕事をやる余裕はなくなり、「ひたすらこれをやってもキャリアにつながらない」という状態になってしまいます。

 

この問題を避けるためには、スタッフ側から仕事を提案して、承認してもらい、成果を出す、というサイクルを作り出すことが大切です。

 

これをするには、「自分はこれをやりたいから、他の仕事を減らしてくれ/新たな仕事を振らないでくれ」という交渉が必要になります。

この交渉は、最初はなかなか難しいですし、一時的に業務の負荷も上がります。しかし、一度サイクルを作って自分が仕事をコントロールできる領域を開拓すると、次からはどんどんその領域を広げていくことができるので、頑張る価値のある交渉です。

 

そして、コントロールできる領域が増えると、どんどん自分がやりたいことができるようになり、自分のマーケットバリューを上げる仕事にフォーカスすることができるようになります。

 

以上のとおり、キャリアアップするには受け身の姿勢ではなく、能動的に自分の仕事を創り、仕事に対するコントロール領域を広げていくことが大切です。

 

キャリアアップと仕事をコントロールできる領域の関係性

 

キャリアアップした状態とはどのような状態でしょうか。

 

人によって様々だと思いますが、社長になる、よりレベルの高いマネージャー(管理職)になる、起業するといったキャリアを歩む人を見ると、すべて自分で自分の仕事を定義でき、仕事の時間もコントロールできる人であることがわかります(労基法上の管理監督者になれば、残業代がつかない代わりに遅刻という概念もなくなります)。

つまり、自分の仕事のコントロールできる領域を増やしていくことはキャリアを上げるための必要条件なのです。

 

もちろん、そのためには、「この人には自由に仕事をしてもらっていい」という周囲からの信頼を勝ち得る必要があります。ただ、その信頼を得るためには、まず「この仕事をやらせてほしい」という提案をしていくことが大切です。

その提案で成果を出し続ければ、「あの人は自由にやらせれば何とかするだろうから、好きにやらせよう」というポジションを獲得することができます。

なお、一度このポジションを獲得すると、他の事業部や会社からお声がかかって、自分の思いもよらない方向にキャリアの幅が広がることもよくあります。

 

コントロールできる領域が増えると、自分のやりたいことができるようになる

 

仕事がコントロールできるようになると、自分のマーケットバリューを上げるための仕事とそうでない仕事を選ぶことができるようになります。

転職を考えている人にとって、自分のマーケットバリューを上げるための仕事とは、職務経歴書に書けて、エージェントや次の転職先から評価される仕事です。

また、自分が苦手な仕事を避けることができるようになり、時間の使い方もコントロールできるようになるので、仕事上のストレスも大幅に減ります。

 

この領域に到達するのは簡単ではありませんが、目指す価値のあるポジションです。最初は苦労しますが、一度このポジションを取れれば、一気に仕事が楽しくなるでしょう。

 

キャリアアップするためには、提供する価値のレベルを上げるという視点も必要

ここまでは仕事のコントロールできる領域を増やすことが大切という話をしてきましたが、収入を上げるためには、提供する価値のレベルを上げることも必要です。

 

それでは会社の中でどうやれば価値を出せるのか。その話は、また次回書きたいと思います。 

 

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