前回の続きです。
前回:
前回は、①自分のやりたいことと実現可能性から選択肢を絞り、それを②自分のこれまでの実績や強みが活きるものかどうか、③これからの社会で必要とされそうかという点から確認すると大きな方向性を決められる、と書きました。
この記事では、以上のうち①について、具体的な方法をご紹介します。
①自分のやりたいことと実現可能性から選択肢を絞る方法
紙に書き出すワークのやり方です。全部で7つのテーマをご用意しますが、書き出し方は、「ゼロ秒思考」のA4メモ書きのやり方をおすすめします。
ゼロ秒思考のA4メモ書きのやり方
A4メモ書きのやり方は、とてもシンプルです。
- A4用紙を横置きにする
- 左上にタイトル、右上に日付を書く
- 本文を4~6行で各20字程度書く。A4 横幅の3分の2程度が目安(今回は、右3分の1のところに縦線を引いて区切ってください)
- 1分でタイマーを設定して、1枚1分で書く
これは『ゼロ秒思考』の赤羽雄二氏が提唱されているメモ書きのやり方で、現在は私も彼と一緒に新事業創出コンサルティングを行っているため、自分もよく使っていますし、クライアントにも指導していますが、頭の中を整理する方法として優れていることを実感しています。
STEP1:「可処分所得1500万円を稼げたとしたら、それ以上稼ぐ?稼ぐならその理由は?」というテーマで書き出す
まずは、以上のテーマを紙の左上に書き、1分で書き出してみてください。このテーマは、前回ご説明したとおり、自分の仕事に対する理由を炙り出せる質問です。
1分という時間を厳守して行うことは、非常に重要です。1分しかないと余計なことを考えてる時間がないので、思い浮かんだことをパッと書かざるを得ないため、取り繕わずに書くことができます。
したがって、必ずタイマーで時間を測りながら書くようにしてください。
また、書き出し方は、パソコンなどではなく手書きをおすすめします。
STEP2:やりたい仕事を書き出す
次に、紙を3枚用意してください。それぞれの左上に、①今やりたい仕事、②3年後にやりたい仕事、③いつかやりたい仕事という3つのテーマを書いてください。そして、各テーマごとに、A4メモ書きのフォーマットで紙に書き出してみてください。
こちらも各テーマ1分で、1テーマあたり4~6個が目安です。
STEP3:仕事以外のやりたいことも書き出す
自分のやりたいことというのは、仕事だけではないと思いますので、次は仕事以外のやりたいことも同様に書き出します。すなわち、①仕事以外で今やりたいこと、②仕事以外で3年後にやりたいこと、③仕事以外でいつかやりたいことの3枚を、同様にメモ書きしてみてください。
「特にやりたいことはない」「仕事をやめたい」という方もいると思いますが、それでも構いません。そのようなことを書き出した場合は、「余ってる時間で何をするか」を書いてみてください。
「暇」という状態は結構苦痛なので(たとえば「ずっと寝てたい」という人でも、本当に24時間365日寝続けられる人はいないでしょう。)、人生の暇をつぶすためにしたいことを書けばよいと思います。
こちらも各テーマ1分で、1テーマあたり4~6個が目安です。
STEP4:書き出した「やりたいこと」を評価する
7つのテーマについて書いたら、全部で7枚のメモ書きが手元に残るはずです。それらを重ならないように机の上に広げてください。
まず「自分の意志の強さ」を評価します。具体的には、メモに書いた各項目について、どの程度やりたいかを1〜4点で評価します。点数の判定基準はこんな感じです。
- 4点:何かを犠牲にしてでも生きてるうちに絶対やりたいこと
- 3点:何かを犠牲にするまでではないが、やらないと自分が納得できない・後悔しそうなこと
- 2点:自分が計画的に実行したいこと
- 1点:機会があればやってみたいこと
「自分の意志の強さ」の整理は以上です。書き出してみたはものの、「別にやりたくないな」とか、「やりたいことではなく自分がやらないといけないと思い込んでいた」といったものなど、1〜4点の基準のどれにも当てはまらない場合は、0点としてください。
次に、それぞれのオプションについて実現可能性を評価します。これも次の基準に照らして点数をつけてみてください。この点数は、先ほど自分の意志の強さで書いた1~4点の右側に書きます。
- 4点:今すぐ実現できる
- 3点:3年あれば確実に実現できる
- 2点:10年以内に実現できるかもしれない
- 1点:現時点では不可能
STEP5:「意志の強さ」と「実現可能性」を掛け算し、全体を俯瞰してみる
ここまでのワークで、「意志の強さ」と「実現可能性」の2つの評価点が並ぶと思いますので、すべての書き出した項目について、この2つの点数を掛け算してください。すると、自分がやりたいかつ現実的に実現可能な方向性が大まかに見えてくると思います。
また、全体を俯瞰していくつかの項目の共通点をくくりだしたりしてみると、「自分の志向の特徴」が見えてきます。
たとえば、私の場合は、自分で事業を立ち上げるというよりは、既に資産を持っている会社にレバレッジをかけることがやりたいんだな、とか、自分の能力に磨きをかけることに興味があるんだな、といった感じです。
STEP6:課題とファーストアクションを書き出す
書き出した紙の右側が空いていると思いますので、掛け算して点数の高い項目をいくつか選んでください。各項目について、課題=実現のためのハードルと、それを克服するためのファーストアクションを書いてください。
これを書くのと書かないのとでは、実現可能性に大きな違いが出てきます。ファーストアクションは、24時間以内に着手できるような、何をしたらいいか具体的にイメージできるようなものがいいですね。
STEP7:ワークの結果を人に見せて相談してみる
このワークには、1つ注意点があります。それは、「自分はやりたいと思っているし、実現可能性もあるけれども、実は自分には向いていないこと」を炙り出すことはできません。
そして、これは自分ではなかなかわからないので、近い人にこの結果を持って相談してみた方がいいと思います。できれば、仕事関係2人(同僚・上司・部下など)と仕事以外の近しい人2人(家族・友人)に、ワークの結果をどう思うか相談してみてください。
面識のある方でもない方でも結構ですので、私にご相談いただいても構いません。問い合わせフォームからご連絡ください。面談かSkype等でお話させていただければと思います。
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まとめ
キャリアの大まかな方向性が決まったら、まずはその方向に向かってとりあえず2年、自分の時間を徹底的に張ってみることをおすすめします。そして、2年でその分野ならそれなりのパフォーマンスを出せるようになってください。少なくとも上位10%、できれば上位1%くらいのパフォーマンスを出せるようになることが目標です。
まずは2年、何かの分野をに没頭して、次の1年でさらにキャリアアップするために他の分野や上のレベルのことを目指すための準備をし、その次の2年はまた次のステージに没頭する、といった感じで、3年ごとにキャリアアップしていくイメージを持つといいと思います。
私のプロフィールを見ていただくと、2014年~2015年は弁護士業と新規事業立ち上げ、2016年にビジネスの方向に踏み出し、2017年~2018年は大企業向けの仕事を増やして、2019年からは大企業向けの経営コンサルティングとブロックチェーンの方に本腰を入れる、という流れを作っていることがおわかりいただけると思います。
2014年~2015年の経験は、2017年~2018年の大企業向けの仕事をする中で大いに役立ちましたし、2014年~2018年の経験は、すべてが2019年から本腰を入れた大企業向けの新事業創出コンサルティングの仕事に役立っています。
このように、数年単位で区切りつつも、その数年の経験を次の数年に活かす形で水平展開または垂直展開すると、らせん状にキャリアアップしていくことが可能です。
ぜひみなさんも、キャリアの大きな方向性を決めて、2年+1年に区切って、らせん状にキャリアを上げていくやり方を実践してみてください。
今回のワークをやってみた方は、ぜひ感想をいただければと思います。
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次回は、キャリアの方向性を決めたあとに、実際にキャリアを上げるためのフィールド選びと仕事についての考え方についてです。